【インタビュー】髙市不動産管理株式会社「地元の頼れる不動産屋さん」松山市で地域を支えるキーパーソンの魅力に迫る

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企業名髙市不動産管理株式会社
代表取締役 髙市和佳 様

賃貸不動産を通じて「住まう」に寄り添うメディア『YORISOU EHIME』が、愛媛県の賃貸不動産管理会社の皆様に賃貸不動産管理の面白さや楽しさ、地域への想いをお聞きする企画「Member Episode」。

今回は愛媛県松山市で地域に根差し、地域との繋がりを大切にしながら、お客様一人ひとりに寄り添った提案を続けてこられている髙市社長に、日頃大切にしている仕事への考え方について全宅管理愛媛県支部佐伯支部長がお話を伺いました。

定年を前に「家族との時間を大切にしたい」との思いから独立を決意

―髙市さんのご経歴を教えてください。

私が不動産業界に入ったのは、昭和60年のことです。売買を中心とする会社に勤務しながら、平成元年からは賃貸部門の立ち上げにも携わり、仲介や管理業務の経験を積んできました。当初は2名でスタートして、最初にやった仕事というのは、会社が持っていた賃貸マンションで雨漏りがあって、入居者からのクレームに対して謝罪に伺う、いわゆる「クレーム対応」が最初の仕事でしたね。今思えば、それが管理業務の原点だったのかも知れません。

―どういうきっかけで起業されたのですか。

会社を立ち上げたのは、平成30年の秋ですね。前職を辞めて独立しました。というのも、母親が大腿骨を骨折してしまい、リハビリや介護が必要になりました。定年まであと少しだったのですが、「今しかない」と思って。不安がなかった訳ではありませんが、当時は“独立するしかない”という思いの方が強かったですね。再雇用の道もありましたけど、自分の時間を柔軟に使えるようにしたかったのです。

賃貸管理が自分の土台になっている

―事業概要としてはどういったものが中心になりますか。

今は売買仲介が主な業務ですが、やはり賃貸管理の経験が自分のベースになっています。オーナー様とのやりとり、クレーム対応、設備トラブルなど、現場で培った知識と経験が、今の仕事にすごく活きています。

―賃貸管理、仲介をしていく上で良かったこと、苦労したことはありますか。

当時はまだ保証会社もなくて、家賃の回収も大変でした。滞納が続けば訴訟の準備まで自分でやりました。訴状を書いたり、内容証明を出したり。あの頃の経験が今でも支えになっています。それと、最近特に感じるのが、相続の相談ですね。以前からお付き合いのあるオーナー様が高齢になられて、「この物件どうしようか」といったご相談をいただくようになりました。「子供が継ぐかどうか分からない」「相続のことが心配」そんな声に対して、不動産の視点からアドバイスができるのも、管理や現場の経験があってこそだと思います。単なる仲介ではなく、住まいや土地を通じた「人生の相談役」といった場面も増えています。

「現場に行く」ことの意味

―物件が増えてくると夜間の騒音や駐車場でのトラブルであったり、トラブルも増えてきますよね。

そうですね。私は今でも、できる限り現場に出るようにしています。例えば給湯器が壊れた、鍵が回らない様々なトラブルがあります。そういうときは、業者さんに頼むだけでなく、自分でも現場に行って状況を見ます。業者さんに無理を言って、現場に駆けつけてもらうこともありますから、一緒に自分も駆けつけて、業者さんが対応していただくことをフォローしたり、修理のやり方を目で見て学ばせていただきました。これは今でも非常に役に立っています。現場で対応している姿を見て、「こんなに一生懸命やってくれるんだ」と思ってもらえたら、怒っていた入居者の方も気持ちが和らぎます。だからそこに手を抜いたらいかんな、とずっと思っていてそこは一生懸命やっているつもりです。

―全宅管理は「住まうに寄り添う」をスローガンにしていますが、お話をお伺いしていると、お客様に寄り添い、行動されていますね。そういったお仕事をされる中で、宅建協会や全宅管理に入会しようとおもったきっかけは何だったのでしょうか。

前職も宅建協会に加盟していたので、人との繋がり、他の業者との繋がりが元々あったので、他の団体の選択肢はありませんでした。全宅管理については、前職でも管理業をやっていたため、継続して管理も行っていきたいと考えていたため情報として知っておきたいという思いから全宅管理にも加盟しました。

地域での役割も、大切な仕事

―以前に民生委員をやっているというお話を聞いたことがあるのですが、今もされているですか。

はい。今も民生委員をさせていただいております。3年任期なのでそろそろ退任を考えていたのですが、もうちょっと地域のために頑張ろうかと思い続けています。高齢者の多い地域なので、町内会や地域の行事などにも積極的に関わっています。

私の会社があるのは、松山市内から東へ10キロほどの場所。大きなスーパーも病院もあって便利ですけど、高齢化が進んでいる地域でもあります。だからこそ、不動産業という立場から地域の力になれたらと思っています。

松山というまち、そしてこれから

―ご当地である松山市に対する想いがありましたらお聞かせください。

松山は災害が少ない穏やかな土地です。台風もそれほど大きな影響がなくて、温暖で過ごしやすいところです。私は防災士の資格も持っているのですが、そういった点でも非常に温暖で災害も少ない住みやすい街だと思います。

今後も、これまできづいてきた”人とのつながり“を大事にしながら地域に根差した会社でありたいと思っています。不動産は、ただモノを扱う仕事ではなく、人の暮らしに深く関わる仕事だと思います。だからこそ、「この人に相談して良かった」と思っていただけるような存在になりたいですね。相続や高齢者の住み替えなど、今後ますます必要とされる役割だと思うので、誠実に、丁寧に、一歩ずつやっていきたいですね。

―髙市さんのお話から、「地域に根ざす」とは、単にその土地で仕事をするということではなく、人と人との信頼を築きながら、暮らしに寄り添っていく姿勢そのものだと感じました。不動産業の枠を超えたその姿には、これからの地域社会に求められるヒントが詰まっています。派手さはなくても、そこに積み重ねられた信頼があるからこそ、地域の安心と暮らしを守る存在として、これからも温かなまなざしで地域を見守ってくれるに違いありません。本日は貴重なお話をありがとうございました。